虹島流浮

プロミシング・ヤング・ウーマンの虹島流浮のレビュー・感想・評価

4.0
もしも過去の事件の詳細を明確に見せたり説明してしまうと、キャリー・マリガン演じる女性の行動に疑問が生じる可能性もあり、そして魅力が薄れてしまうというマイナスに繋がることもあるので、そこの配分は映画的にはうまいなと思いました。
しかしながら現代、いや長年の社会問題であるこの一連の流れは、全て当事者にしか分からず、ニュースでしか知ることのない外部の人間にとってはまさにこの映画を観ている感覚なのである。現実ではこの映画のように明確に嘘と真実が区別できないのがもどかしいところ。
映像に残っていたり、本人が悪事を認めない限り泥沼化する問題。
本作にしても、ここまでしないと解決できないのかと胸が痛い。
まぁ現実だとジョディ・フォスターの『告発の行方』ですよ。
それにしても中盤は最高の恋愛映画か!と騙されました...感動返せあのクズ男!
お前の優しさに泣きそうになったこの俺の気持ちを返してくれ。
後ろの方で鼻をすすっていた女性の分も返してあげてくれ。
わかる、お前も仕事の時は優しいんだろう。昔とは変わってはいるんだろう。
じゃないと子供の病気を治すことなんかできない。続けられない。いい奴なんだが、嫌な奴でもある。全てを否定はできない。人間みんなそうだから〜。悪い奴も良い奴も1人の同じ人間だから〜。
クズは何年経ってもクズのまま。
歳を重ねても人間性は変わらないことは全人類が実感して生きている。
過去の悪意なき言動は、した方は覚えてないがされた方は一生の傷として皮膚と脳に焼き付いている。
ただ、これだけは言いたい、いい男性もいる。いい女性もいる。信じることも大切。疑うことも大切。その両方を使いこなせる余裕が大切。
でも人を死に追いやるのは論外。だからやっぱりあの男はクズ!
キャリー・マリガンの声のトーンと表情の使い分けは感銘を受けました。
両親がクランシー・ブラウンと『アメリカン・パイ』のホットマムは個性強すぎ。