ふてい

プロミシング・ヤング・ウーマンのふていのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 想像していたよりもエンタメで、その点で文句なしに面白い傑作。けれども、セカンドレイプとそれを生む男中心の社会、権力を持つ人々が我が身可愛さで弱者を抑圧することに対する、新しい知見は無いかなぁと思った。ただし、世に蔓延る理不尽に対する問題提起にはなっているから、製作側がそれを目的としてるなら良い。※パンフレットに載っている監督のコメントを読んで納得した。傑作。
 復讐に燃えるキャシーとロマンスに溺れるキャシーが並列して進行し、二つが混ざり合った結果、復讐のみを残してしまう結末が苦しかった。ロマンスが虚像であったことが分かった瞬間、ロマンスが消え、復讐の念が倍になるこの展開が映えるのは、ロマコメパートが狂おしいほどに愛おしいからこそ。そして、その愛おしさは美術と衣装が堪らなく美しいから生じたもの。音楽もヒリヒリしたし、とにかく良かった。
 ラストの復讐の方法は、何故あなたが犠牲にならなくてはならないの、という虚しさでいっぱい。ほんと辛い。
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