フネタロウ

プロミシング・ヤング・ウーマンのフネタロウのレビュー・感想・評価

3.5
人を呪わば穴二つ、ということか。

ポップな絵面と音楽、良いテンポでサクッとみ終えることができたけど、何とも後味が悪い。できれば見つめたくないけど、実はとてもありふれた出来事で、自分の近くで別の「ニーナ&キャシー」が苦しんでいるかと思うとやるせなさを感じる。

出てくる男性達がみな結構いい人っぽいのがとてもリアル。実際世の中的には善人なのでしょう。
「子供だったのでやらかした」
「将来有望だから大目に見て」
「馬鹿正直でも損するだけ、大人になれ」
一理のある三段論法。
でも被害者は「無かったことに」なんてなかなかできないものだ。

仕置人と化したキャシーに問いかけられる「お前は何も間違えたことはないのか?」という言葉。所々繰り返される「あなた変わらないわね」という言葉の通り、キャシーは若者のままのだ、ニーナと一緒にほとんど死んでしまっていたから。妙に子供っぽい私服もそのためか。

悪いことを見逃せるオトナになれればどんなによかったか。
キャシーのプロミシングな別のシナリオも一瞬見えかけたので、余計にせつない。