孤独な女の壮大な復讐劇。
全体的にじっくりと進むが、展開はテンポが良く見やすい。
開始40分から始まる「あの出来事覚えてる?」からの怒涛の復讐劇は主人公のダウナーな性格も相まってかなり重苦しいが、それでも周りがクソすぎるのでなぜか応援してしまう。
告白と似た復讐、重苦しさだが、告白よりも主人公に愛着が湧くのは主人公の周りの上司や恋人、家族との距離感がしっかり表現されているからかも。
主人公がいつもかなりそっけなく不機嫌そうなのは、「女性はいつも明るく綺麗なのが魅力的」といった大衆イメージへの反抗なのだろう。
女性の人生とは、普通に生きたいだけなのに「自業自得」というレッテルを貼られやすく、ごく自然にそれを「仕方ない」と受け入れ、男や同性からも踏みつけられていることに気づかない。そういう事実に気づかせてくれるかなり真摯な作品。