まいこ

プロミシング・ヤング・ウーマンのまいこのレビュー・感想・評価

3.8
夜ごとバーに出向いては泥酔してだらしなく寝そべり、男に対してスキだらけの姿勢を見せる、可愛らしい美女のキャシー。しかしそれは甘く危険な罠で、彼女の実の正体は、世の中のゲスな男どもに鉄槌を下す〈復讐の天使〉だった……。
「未来を花束にして」のマリガンが、場面に応じて七変化する謎めいたヒロインに扮して会心の演技を披露。本作の原題は2016年のある事件の判決理由に基づく。

2分50秒
楽曲と画が合いすぎ。元々マーゴット・ロビーがキャスティング予定だったようだけど確かにこの作風に彼女はドンピシャだったかもしれない。とはいいつつもキャリー・マリガンの演技も雰囲気も最高だった。ただ、中盤からコロコロ変わるキャシーの心情に(*'ω'*)......ん?となる部分はあったし、正義と称してナンパ男(笑)に鉄槌を下す内容が思いのほか緩くて拍子抜けした。カウントの描写、最後の一人は誰なのか?と問題提起された瞬間は痺れた。

よくレビューで散見している問題の部分。死んだら何も残らない、の気持ちは分かるけど、描写としては大正解でしょ。肉体は生きたまま心は死んでいる、レイプ被害とのこされたひとたちの心情と現状そのもの。フィクションなんだから息を吹き返して!というのも、中々に凡作になりそうなのが予想できるし……。
ジャンルとしても、スカッとするような痛快コメディーではなく、鑑賞後に現実へと引き戻される(リアリティ?)サイコスリラー。せめて自分だけでも"無言側"にならないようにしたいな。
まいこ

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