TOYOSU

ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「リーマン・トリロジー」のTOYOSUのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと衝撃的な面白さだった。今年暫定ナンバーワン。
160年にわたるリーマン・ブラザーズの栄子必衰を、3人の演者と会議室と箱だけで表現する素晴らしさ。
箱型ステージとダンボールの使い方が上手くて、シンプルで枯山水みたいな趣があった。何世代にも渡る一族を3人で演じ切る演技力とセリフ量にとにかく驚き。転生しているかのような不思議な感覚だった。彼らが信じるユダヤ教の概念も上手く採り入れられてて、要素にすきがない、
最初は小さな商店だったリーマン・ブラザーズが、いかにして巨大投資銀行になったのか。そこには火事・南北戦争・世界恐慌など、日常や社会の破壊が深く関わっているという構成が説得力あった。「儲かる形態」を追求していくと、投資銀行になるんだなという印象。数字を使って他人が儲けを生み出す、という株式や投資の根本的な性質ができて行く過程は必見。
TOYOSU

TOYOSU