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映画 えんとつ町のプペルのEDDIEのレビュー・感想・評価

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
3.7
製作総指揮・原作・脚本“西野亮廣”。いちプロデューサーとして壮大な映画化まで実現した手腕、作画やアニメーションレベルの高さには唸った。特に序盤のアクションはワクワクした。内容的に驚きの展開はないが十分一見の価値ある作品。

正直さほど期待値は高くありませんでした。大ヒットした原作絵本をどのように100分という映画に昇華させるのか。そこが一番の注目点。

まずこの作品で一番に感心したのが、序盤のトロッコを使ったアクションシーン。まるでUSJやディズニーランドのアトラクションに乗っているかのような臨場感。絵本にはあのワクワクドキドキ感は出せません。確実に映画にした価値があった部分。

と思いきやオープニングのミュージカルダンスパート。まぁ子供向けと思えばいい演出だったのかもしれませんが、明らかに浮いていました。
ただHYDEの“HALLOWEEN PARTY”はとても良かった!Apple Musicですぐさまダウンロード。

主人公のルビッチが住むえんとつ町は煙に覆われて雲の上は見ることができません。ルビッチの夢は亡くなった父が紙芝居で語っていた“星”を見ること。果たして星は本当に見ることができるのか。
夢は待っているだけでは実現しない、行動することの大切さを感じ取れるメッセージ性は受け取りました。
お笑い芸人として芸能界デビューしながらもビジネスで大成功を収めている西野亮廣だからこその説得力はあったと思います(個人的にあの界隈の人たちは苦手なんですが笑)。

ただやはり絵本という子供向けの原作要素を100分程度の映画にするには若干間延び感を感じざるをえませんでした。
所々工夫はみられましたが、スコップの語りのくどさとかはさすがに気になりました。まぁあそこはオリラジ藤森慎吾の個性を最大限活かしたとも言えるでしょうが。

感心したのはプペルの声を演じた窪田正孝ですね。朝ドラ『エール』のキャラクターでも見せてくれたちょっと地方の訛りを入れたアクセントが特徴で、プペルのような擬人キャラにはとても合った声だったと思います。『エール』を観てない人であれば、あの声を知らずに窪田正孝とわかる人は少ないんじゃないでしょうか。
ルビッチの声を演じた芦田愛菜もさすがの表現力でしたし、ルビッチの雇い主であるダンの声はどう聞いても國村隼だし(國村隼の声好きなんですよね)。

ストーリーの流れやちょっと退屈を覚えるところはあれど、総じて観る価値ある作品じゃないかなと感じました。

※2020年劇場鑑賞160本目
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