おさる

グリーン・ライ 〜エコの嘘〜のおさるのレビュー・感想・評価

3.0
仮設の映画館にて鑑賞。
最終的には既存の体制とグローバリゼーション・多国籍企業と戦わなければならない、というメッセージであったのかと思う。ノンポリ風の監督も最後はデモへ参加して映画は終わる。
ヒステリック気味にあらゆるグリーン・ライを批判する女性運動家の指摘は正しく、世界で環境と人権のために戦う人と連帯するということの重要性はわかる。

しかし、しかし、連帯とか、大言壮語なこと、出来ないんだっぺ、普通に生きてる自分には。
と鑑賞後に思わされるのが最終的なオチとなってしまった。
前半の、企業が嘘っぱちのエコフレンドリーな製品広告を打って、消費者もそれに安心しきっている、というくだり、そのあたりが自分としては面白くもっと深堀してほしいと思ったが、ストーリーが進むにつれて環境問題に対する風呂敷が大きくなって、「やっぱ自分のできること少ねぇわ。」と無力感に転じる展開になってしまった。

あと、この女性が企業やそれに言いなりの政府・公共機関から人々に力を取り戻す的なことを言っていたが、映画を通して人々というか民衆への無批判な態度も気になった。環境問題に意識が高かったり、あるいは環境破壊の被害者が映画にはいろいろと登場するわけだが、現実社会では大部分の人々は大企業がグリーン・ライするのと同じレベルで自分勝手で信頼のおけない存在なのではないだろうか。大企業と同じくらい、自分の生活をグリーン・ライしたり、不勉強でものうのうとしているのではないだろうか。詳細は知らなくても、安いものは何らかの犠牲の上にその価格なことくらい誰でも知っているが、それでもやっぱり安きに流れているのが民衆なのを否定はできない。

それでまぁひとまずは、今日吟味して購入したチョコレートにレインフォレストアラインス認証というのがなされ持続可能性が強調されていたが、うむさてこの認証は信用に足るのか、という疑問と、これからは認証をむしろ得ていない商品からさらに吟味する方が良いのだろうか、と自分なりの消費行動の検証をはかろうかと思う。
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