もの語りたがり屋

るろうに剣心 最終章 The Beginningのもの語りたがり屋のレビュー・感想・評価

3.6
漫画の映像化を超えた超大作の完結編

足掛け約10年に及ぶ5部作がついに完結。きっと原作を知らなくても楽しめるシリーズ作品となっているだろう。

「The Final」に続いて、壮大なセットも練り上げられたアクションも一瞬で過ぎていくのが惜しいぐらいの創り込み。
途方もない時間と労力、そして予算をかけた製作と撮影を考えると頭が下がる。

最終章の2部作はアクションの「The Final」、ストーリーの「The Beginning」と銘打っていた通り、緋村剣心の十字傷に隠された秘密、どのようにして流浪になったかの始まりのエピソードが丁寧に描かれている。

そして、その芯には幸せとは何かという重きテーマも込められており、観応えのある物語だった。
また時代を切り開くことと大切な人を守ることの間で揺れ動く剣心の心情や生き方をしっかりと語っている。

もちろんアクションも素晴らしいので、どのように撮ったのか考えながら細部まで観る楽しさが詰まっている。

ラストそれからのことが字幕で表示され、その後にタイトル「るろうに剣心」が大きく現れたときには鳥肌が立った。
るろうに剣心がいかにして流浪にになったかタイトルに込められた想いをずっしりと残す潔い締めくくりだった。