agentkose

るろうに剣心 最終章 The Beginningのagentkoseのレビュー・感想・評価

4.2
これぞまさにシリーズ最高傑作。  

シリーズで唯一剣心が人斬りだった江戸時代を描いているので今までと比べて圧倒的に空気が違う。とにかく異彩を放っている。

それは剣心のアクション一つ取ってもそう。今までは逆刃刀を使っている且つ殺さずの誓いを立ててるから血しぶきもないし、剣心によって人が殺されてる感じはなかったんだけど今回はその逆。

ちゃんと人を殺すし、血しぶきも飛びまくる。攻撃の範囲も相手を確実に仕留められる頭や首が多い。しかもそれを淡々と顔色一つ変えずにやってしまう。初めて剣心の狂気性が見えたような気がしました。

それにストーリーもこれまでのエンタメ性溢れるものとは打って変わり悲しい結末が既に確定したラブストーリーというかなり悲惨なものに。

剣心と巴の儚い関係性は前作の時点で大まかな内容と結末が分かりきってしまっているからこそどうしても2人の静かな愛に感情移入してしまいとても辛くなる。

それも相まって前作までは「アクション凄かったね〜」的な感じで映画館から出れたのに今作だけは凄くどんよりした感じで映画館を後にしましたね笑。そこも圧倒的に今までと違いました。

ただ今作で1番凄かったのはなんと言っても佐藤健の演技。言葉使いやただ住まいなど今までの剣心とは何もかもが違うのにちゃんと同一人物だと思わせてくれる箇所があるのが本当に凄い。

というかもはやあれは演技の枠を超えて完全に剣心と一体化していたと言っても過言ではないのかも知れない。

ラストは本当に痺れました。

それらを踏まえた上で僕が感じたのはこの作品はシリーズのある意味本当の終わりでもあり、そして全体の補完の為にあるような作品であると。

今まで明かされていなかった十字傷の由来や殺さずの誓いの意味。これらの謎が最終作である今作をもって明らかになることで時系列上ではこの後に続いていく今までの作品に重みを加え、より豊かなものにしてくれた。

だからいろんなインタビューで佐藤健も言ってたけどこれで″完結″したというよりかはこれで″完成″したって表す方が正しいのかも。

本当に素晴らしい作品そしてシリーズに出会えたことを嬉しく思います。

オススメです!