♪The night's the time for all your tears
Your heart may be broken tonight
But tomorrow in the morning light
Don't let the sun catch you cryin'♪
【STORY】
妊娠が発覚した少女は、家族にそれを伝えられず、唯一それを打ち明けられた従姉妹と2人で遠くへ出かけるが…
【感想】
《悩める青少年ドラマ3貫》2貫目
男性として、妊娠・出産を耐え抜く女性を尊敬したり、それだけでなく月1の苦しみだって男性にはなくてなんだか不平等で勝手に申し訳ない気分になったり、辛い時期にできるだけ女性の気持ちや状況に寄り添おう・想像しようと意識したり、そういう感情・意識の動きはできる。
でも、結局それは何も味わっていない男性の想像でしかなく、自分がなっていない以上、共感するにも限界はあり、完全なシンクロはできない。
こういう映画を1作観ると、その"限界"を少し広げられると思う。もちろん完全なシンクロとはいかないが、ただ「辛そうだな」「大変だな」と想像しているのに比べれば遥かに共感度が高まる。
そうやって、普段想像力を働かせるだけでは決して思い至れない限界ラインを押し上げてくれるのが映画体験だと思う。
男性→女性だけでなく、女性→男性だって、ストレート→LGBTQだって同じだと思うし、貧困の辛さとか、逆に富裕層ならではの悩みとか、反社会勢力の家に生まれた気持ちとか、大スターの苦悩とか、サイコパスの心の動きでさえ、映画を観ればなんでも、普段よりその追体験ができるから映画が好きだ。
「こういう男は良くないな」とか「こんな男はクズだ」とか思ったり気をつけたりする事はもちろん普段からあっても、女性目線で描かれて初めて「マジで嫌だなこれ」って思う事も結構ある。今作は男性こそ観るべき作品だった。
女性だから苦しんでいるのに、状況打破のために女性であることを友人が利用してくれた時の、切ない"指"のシーンで涙腺が緩んだ。辛いな…
避妊に関する問題でいえば、男性はもちろん、女性にも男性ほど多くなくても避妊意識が甘い人はいる。妊娠を望まぬ性行為をする人々は、皆今作を観るべきだと思う!
一時の気の緩みや快楽優先が、どれだけ後で厄介で辛い状況を生むか、しっかり追体験して味わえるから。
原題のシーンが本当に心抉られたな…女性は自分のために、男性は相手のために、更に気をつけようって思えるはず。
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観た回数:1回
直近の鑑賞:映画館(21.07.16)