メレンゲ

17歳の瞳に映る世界のメレンゲのネタバレレビュー・内容・結末

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカの女子高生のリアルなのかも知れない。

日本の女子高生と日本の10代の中絶事情とは異なる部分もあった。

邦画で日本の女子高生の中絶や出産の話は良く見るが、海外のは今まで観た経験が少ない。特に中絶の内容は。

それもそのはずでアメリカは日本ではあまり馴染みのない宗教との大きな壁がある。

日本は被害者が望まれない妊娠に例えば無理やり行為された場合は中絶出来る可能性が高いが、アメリカはどんな理由でも中絶は悪だとされたようですね。この映画が出るまでは。

従姉妹の絆はリアルではないという声もありましたが、これもアメリカでは日本と違うリアルが存在するのでは?と。映画の中のリアルを追求すべきであるし、これが女友達や姉妹(又は双子姉妹)では結構描かれてるのでここに従姉妹という発想はなかったから良かったと自分は思う。

とても優しい従姉妹。主人公は素直に中々感謝を示せない。(二人は普通に仲良しで同じバイトをしていたほど)でも、旅で知り合った興味がない男に帰るチケット代をもらうために従姉妹は我慢してキスを受ける。それを円柱壁の後ろから気づいた主人公は、静かに壁越しの従姉妹の手をそっと握る。これが精一杯の感謝を表してると感じました。

従姉妹は従姉妹で、主人公は妊娠と中絶に辛い思いをしてる事に気づき、言葉ではなく行動という形で支えながら共に旅をした。(主人公も旅中は辛さをなるべく見せないようにした。)

お互いに言葉がなくても通じ合ってるのをすごく感じた。

ストーリーでは最後の病院ではとても良いところにたどり、患者本人の意見を尊重、寄り添う姿勢のところで(本人も後に述べている)、今まで感情を押し込めてた気持ちが湧き上がってきた主人公。やはり17歳はこうで、身体や表面的には大人でも大人になりきれてない未成熟な部分もあると言うことを再確認したシーンでもあります。

原題も映画を観た後ではっとしました。(もちろん日本題も良いと思います。)

旦那が誰なのかとか本当はどのようして妊娠に至ったのかはあまり触れられてなく、望まれない妊娠から親に内緒で中絶する過程に特化したのが良かったです。

早稲田松竹で2本立てで「プロミシングヤングウーマン」の前に鑑賞。テンションやジャンルが大きく差があるが何か少し共通点があるようでこの組合せは面白かったです。
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