“Never, Really, Sometimes, Always”
言葉では何も語られない
何が起きたか、何が起きているか
しかしこの映画の沈黙は、なによりも雄弁だ
勇敢な旅路を終えた2人の目には
世界はどう見えるのだろう
彼女たちが強くあらねばならない世界はおかしいし
真に弱い者たちが強いフリをできる世界もおかしい
それでも
彼女たちの静謐な強さを
どれほどグロテスクな世界も奪えない
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中絶をめぐる、クソみたいな判決が先日アメリカで下された
彼女たちの尊厳も、痛みも、全てを無視して世界は彼女たちを押し込めようとする
「倫理」という、とてもグロテスクな檻に
真に非倫理的な者には免罪符を与えながら
あのマリアを持っていた者たちに僕は問いたい
彼女たちの痛みを前にして、なぜそのようなことが言えるのか、と
徹底して抑制した演出が際立たせるのは
世界のグロテスクさと彼女たちの強さ
日本も中絶をめぐり、他人事ではない人権侵害が当然のようにある
彼女たちが強くなくてもいられるように、あの少女らしい笑顔で日々を生きられるように、世界が変わらねばならない
究極のシスターフッドムービーでもあり、怒りの映画でもある
しかしほんとにあの従姉妹、いい子すぎる
あと義父はじめ全てのクズ男、あいつらにこの全ての痛みを何倍にもしてぶつけてやりたい