くりふ

恐怖のアンソロジーのくりふのレビュー・感想・評価

恐怖のアンソロジー(2020年製作の映画)
3.5
【最新ボリウッドホラーはほら、怖くない。怖くない。】

ネフリにて。『慕情のアンソロジー』が評判よかったのでしょうか?同じ4人の監督による、新作オムニバスが登場。

今回のお題はホラー。さすが、映像作品としての質は高いですね。が…怖くない…一流どころの作だし、インド人には適切なのでしょうが、ホラーとしてはガラパゴス化していると思った。

昔、一時のJホラーは、ハリウッドを巻き込むほど普遍的だった…とそのパワーを懐かしく思った。

★Zoya Akhtar監督編

『ガリーボーイ』の監督による、介護問題を扱う現代の怪談。美術が素晴らしく、民家をお化け屋敷化する手さばきが見事。お話は、これだとどうにも、オチが限られちゃうね。驚きはなし。しかし4作中一番、典型的なインドの匂いがこもっていました。

★Anurag Kashyap監督編

これが一番面白かった。恐怖というより狂気だけど。出産のトラウマと、母を独占したい幼い欲望。そこに“シャイニング”がまぶされる。女優さんが『マレフィセント』のアンジーみたい。笑いと背中合わせ。

★Dibakar Banerjee監督編

『クワイエット・プレイス』か?と思いきや…。わかり易きジャンルホラーの構造なのに、一番不条理だった。町と街の違い、そこに政治?…お国柄を込めたようだが謎。インド事情詳しい人の解説キボンヌ。

★Karan Johar監督編

一番わかり易い。この監督のいい面が出ていると思うが、荒唐無稽過ぎるゴーストだ。ありえるかも?という引っ掛かりがない。ヒロイン、ムルナル・タクールが素敵。彼女が若きシヴァガミ様を演じる『バーフバリ: 帝国の夜明け』を早く、見たくなりました。

<2020.1.14記>
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