メディアにやたらと持ち上げられているが、貧しいというのはパフォーマンスではないか?と思っていたが、この映画では自身の価値観に則ってそういったライフスタイルを実直に選び取っている好々爺が映し出されていた。
印象的だったのは、ムヒカ氏は民衆に対しても大国のリーダーや教皇に対しても、同じような態度で接していたところ。
自らの信念を持って行動し、過去の過ちを認め、あらゆる人の意見も聞き入れ、必要に応じて改めるべきは改める。自らの国と仲間に誇りを持っているが、個人としてのつまらないプライドはない。本質的だがなかなか難しい境地だと思う。だから人によって態度を変えたりせず泰然としていられるのかなと。
過去の極左ゲリラ活動や投獄生活に対しても単なる後悔や不平不満に終始することなく、すべて現在の糧にしている。こういう人こそ人間万事塞翁が馬、みたいな言葉が似合うのかな、とも思った。
人々が彼を愛し尊敬する理由が少し分かった。