Yuri

生きちゃったのYuriのネタバレレビュー・内容・結末

生きちゃった(2020年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

太賀と若葉竜也ってファン層被ってるので、一部にはこの二人ってだけでたまらない映画で、私もこの二人目当て。男女のマイナス部分あるあるな話で、耳に痛いし、いつ自分がそうなるとも限らない話。日本人が英語だといきなり饒舌になるあるあるは、日本人同士だと意見を言うと冷めた目で見られるとか否定されるとかあるけど、外人相手だと良いリアクションが返ってくるって期待しているからだと思う。つまり、肯定してもらいたい願望。だから、理想の自分を出せたりする。でも、英会話やインドに行って人生変われるなら、自分の中に変われる力があるのに出せてないだけだし、出さないというストッパーをかけてるのは自分一人だけだから。引き返すタイミング、人生の岐路ってその場気づいて動くのはほぼ無理だし、だからこそ成功者はほんの一握りなのだと思う。奈津美は最期に何を思ったのだろうか?誰かに届けたい想いが最期だったのだろうか?元妻という一度守ると決めた人を亡くしても、彼はきっと変わらない。変われるんだったら、これまでの幾つかの岐路で変われたと思うし、再起不能みたいな顔をしても、彼自身は何も変わらないし、変えるつもりもない。また、本当にいたのか扱いにして、良かったことも悪かったこともボンヤリと片づけてしまうやつ。罪悪感のある被害者面だと思う。日本人だからじゃねーよ、そういう風に育てられ、仕方ないと許されてきた結果だよって腹が立った。「言ったってどうにもならない」で片づけちゃう自己完結型男。それが自分を想ってくれる人たちをどれだけ傷つけて、気を遣わしてるのかわかってるの?なんで、鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるの?どうにもなって欲しいのなら、どうにかしろよって思った。頑張れって傍にいてくれる人がいるうちは、自分壊してでも殻突き破りなよって思った。別に日本人だからじゃない。このタイプはどこの国にも一定数いる。どこかの誰かの話かと思って、めっちゃ共感して腹立ったけど、言葉に出来ない人たちの心情はよく描けてるし、太賀と若葉竜也のこういうじんわりグサグサ系ケミは最高でした。石井裕也監督作の中では一番好きかも。
Yuri

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