とら

罪と女王のとらのレビュー・感想・評価

罪と女王(2019年製作の映画)
3.4
えろえろものだと期待してか、おじさんが多かった。

人間のこころの動きを主題にするのなら一番適しているのはやはり家族ものなのだろう。
性差/世代差/経済格差などなどが露わになり、それでいてひとは惰性的に現状のシステム(家族という)を維持しようとするから厄介だ。

ここまで頑なに最後まで自己保身しか考えない主人公も珍しい。たとえば夫が息子との過去に頭を悩ますその瞬間(そのときはまだ夫から決定的なことを告げられていない)彼女はただただほっとしている、そしてそのことに心を痛めない。

最終局面での悲劇において、夫は自らの過ちを(そもそも)気づいていて、ということは妻の悪事も知っているわけだがそのことを責め立てようとはせず、それでも妻は自己保身に走るから「黙れ!」と叫ぶことになる。

それにしても西欧系に多い「話し合おう」家族というのはなんとも苦手だ。
とら

とら