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劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIMEのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.7
この前にやってた短編の仮面ライダーセイバーの後の本編。

こっちの本編はなかなかドッシリというか、マッタリ。
ナノテクノロジーの科学者として伊藤英明も出てる。

そして、完結編的に、まったく観てる方向が違う今までのライダー達が、まったく違う角度から関与して、何だかんだと危機を乗り越えるのが見どころ。

企業のトップでもあるゼロワン。
彼の真っ直ぐさで切り抜けてきた色々な危機は、実はまだ燻っていた、、、。

その燻りから、またしても絶望が。

この世界では人と、人型アンドロイドが共存する世界。
何かこの前にやってた予告編に影響されたかも知れないが、何となくポケモンっぽい世界観かも知れない。

そして、このシリーズはアンドロイドの尊厳とか人権とか心に焦点を当てる。
まさに、最近のAIとかクローンとかナノテクノロジーなど、今の社会性に沿うようなシリーズ。

その中で最先端のハイテク企業のトップとして、この世界の均衡を保ち、テクノロジーが人とアンドロイドに平和をもたらさんとする主人公。

それなのに、とある実験で最愛の婚約者を亡くす伊藤英明。
彼が目論んだ企みが全ての始まり。

亡くした婚約者を思うがあまり、とんでもない世界を作ろうとする。

それが、またAIとナノテクノロジーを利用した“データ”。
ここで、さらにアバターなどの最近の世相っぽいアプリケーション的な世界観を混ぜてくる。

なかなか複雑で、倫理的な部分を問う作風で、それが良いか悪いか、むしろ、良い悪いは使い方次第という、完全な勧善懲悪でもなさそうなテイストになっている。

だから、劇中も、観てるこっちもなかなか考えさせられると言うか。

もちろん、自分のことばかりで人に迷惑をかけてまで、世界を滅茶苦茶にしてまでやっても良いのか、という部分では、それを制す。

ただ、その想い。
元々は愛する彼女を思うがあまりの行動であることを少しだけ尊重もしてる。

その辺が結構ドラマチックに、登場人物達も、観てるこっちも理解しながら葛藤しながら立ち向かう姿が印象的。

そう言う意味で短編とは打って変わって、じっくりしてた。

ぶっ飛んでるようで、これはこれで今のリテラシーにも通ずる作品。
今やキッズ達もこんな世界観のライダーを観て育つのか、令和という次の時代が来てるな、と思ってしまった。
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