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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のtubure400のレビュー・感想・評価

3.2
三島由紀夫はカリスマという感じですごく格好良いけれど、むしろ興味深いのは、全共闘の青年達が窪塚洋介似の謎めいたアングラ芝居の青年だったり、なんか真面目そうな未来の地方公務員だったりするところだろう。

かつてのニュースを見るとそれなりに危険というか、社会現象だったのだなと思わされる。能面のように表情のない橋爪大三郎の、そんな時期を経験したかつての若者達が、今どういうふうに考えているのか、わからない、という呟きがなんとはなしに恐ろしい。70歳代にしてはしゃんとしているように見えるかつての若者たちのインタビューを見ても、もはや何も考えていないのではないか/当時から別に何も考えていなかったのではないか(あるいは単に気が狂っているのではないか)と思わされる。我々は結局、快/不快を漠然と感じながらただ漫然と生きながらえる毛虫と選ぶ所のない存在なのではないか、という思いを新たにした。

ただ、三島はけしてそんな存在に堕することはなかった、ということと、平野啓一郎がなんか知的でかっこいいのと、内田樹がなんか強そうなのと、橋爪大三郎が表情がなくて不気味なのが心に残った。
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