Yuki

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のYukiのレビュー・感想・評価

5.0
PUNK
三島由紀夫の情報なんて最期の自決のことに関してしか知らなかったけど、まさかこんなにカリスマある魅力的な人間だと思わなかった

いやあもう脳みそのマッサージというか
整理整頓がすごい。見応え満載。

今の時代、脳みそに足が出て地について
自分の考えを一瞬一秒で答えれる
全共闘のような学生は稀有どころか、
学生やってないだろうな笑

三島由紀夫と同じくらい魅力を感じたのはやっぱり芥正彦。

「苦しいから事物にイメージを与えつける
目を瞑った世界だけど
目を見開いたまま事物に対処する
その時訪れる光によって事物を乗り越えさせる
だから僕たちは
身の回りのものを武器に変える
武器に変えるからこそ、
それ以上の存在で僕らは在り続けなきゃいけない」

ティーンエイジャーの本質の
『全部ぶっ壊してやる。なぜって、気に入らないから。』なぜそんなことをするのか、その理由はどうでもいい。ただやりたいからやるだけだ。
そんな論理を一歩先に進めるような
この姿は超PUNK。根っこがそこだからPUNKってことなんだけど。

自由でずっとはみ出していたい芥正彦

「今の日本に
人間と事物との間の光が
僕には何も見えない
国家があるとか政権体制があると教えてくれる人がいるけど
僕にはわからない
だから名前がなくても良い」

超ティーンエイジャーじゃん、
というかティーンエイジャーでまとめることすら高校生の時の自分も不快に思いそうだから、細かく言うと
自由でありたいだけなのに邪魔なものがありすぎる超自然主義な人間。。。
めちゃくちゃわかるよ
70代になってもその考えでぶち進んでる姿は人間臭すぎた。まだまだ若いな🔥

“はみ出して馴染む”三島由紀夫との討論は本当に見応えあって最高のシーンだったな。

そんな三島由紀夫も本当の自分の行動を起こす時には”はみ出して”外から呼びかけた訳なんだけど。

右とか左じゃない本質的な対立があるだろってよぎった最初の冒頭の自分をしっかり救うかのように

ちゃんと三島由紀夫の天皇に対するアンビバレントも曝け出して
根っこは同じだよねって着陸するところ
も最高だったな。

最高に強くて美学を掲げた
余裕のある
心を揺らさない格好いい人だったな

時代の背景と共にこびりついた
若い頃の憧れや崇拝は
なかなか剥ぎ取れないし、それが自分にとっての答えとも思うけど

どれだけ誠実に愛を持とうと人間に接しても、そういう自分の憧れや信念が
目に見える象徴だと、
危ういのかなと感じた。
人間は流動的だし、それに伴って社会の在り方は目まぐるしいスピードで変わり続ける。付随する象徴も同様で、
憧れた人間の奥には概念がある筈
そこを見つめ続けたい

現代の社会と個人の分断は確実に進んでると思う

革命より自分達の進化と三宅洋平も言っていたけれど
正にその時代の渦中にいるんだな。

自分に全責任を持って生きていく
それだけが信じれる

結局回帰するかのように
この時代の”熱量”だけは、
いつの時代も信じれるな

三島由紀夫人間くさい
芥の娘への副流煙が気になりすぎる
東出昌大のナレーションは聴き心地が良い

イイネ!
Yuki

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