KeiRalph

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のKeiRalphのレビュー・感想・評価

3.9
面白かったなー。テレビでも何度か、断片的に見た気がするけど、劇場で長尺で観ると、余計集中出来るので尚良かった。

右翼として楯の会を仕切る三島と、当時の時代の旗手となっていた左翼の全共闘が明確な対立構造の中で自身の正当性を主張しあう殺伐とした討論会かと思いきやさにあらず。そこにはお互いのリスペクトが整然と成立する、妥協なき共存の場だったのです。

何しろ、思想の根源として通づる部分がある事を三島は理解してて、全共闘1,000人を説得するつもりでこの場に臨んだその意気だけでカッコいいじゃない!更には世界的文学者に対し全く物怖じしないで対等に議論しようとする20代そこそこの全共闘の学生もこれまたカッコいい。

私にもこんなボキャブラリーとセンスがあればなあ…無いものねだりですわ。

しかしながら、60年代の終わりとともに言葉が時代を作らなくなったというのは確かですね。今の時代の言葉の軽さと深みの無さがとにかく虚しく感じます。
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