つるぎたけし

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のつるぎたけしのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

事実は小説よりも奇なり
本作を鑑賞後に頭に浮かんだ言葉であり、三島由紀夫が語った「言霊」の力をまざまざと感じ取った瞬間でもあった

三島由紀夫という人物は名前しか知らなかったが、当時の若者が彼に傾倒していくのは分からない話では無いと思った
頭の回転が抜群に良く、非常に高度な読解力と表現力を持ちながらもユーモアを交えて聞く者を虜にする術を持っていたとしか思えない
また討論においても、相手の言葉の揚げ足を取ったり自分の言葉で言い負かすという事は一切しないで、相手の言葉を尊重してのやり取りを行うからなのか、思想が正反対の東大全共闘であっても会場を爆笑の渦に巻き込んだりしながら完全に心を掴んでしまっていた姿は驚嘆するしかない

哀しいまでに真っ直ぐであり、自己の信念に揺らぎがなく、洗練された物腰とは裏腹に不器用と言っても過言では無い生き方は、今後このような人物が登場しないだろうと思わせる

討論自体は哲学的過ぎて凡人の自分には全く理解出来なかったが、伝説の討論と呼ばれたのに相応しいものだったことだけは理解出来た
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