ゴン吉

耳をすませばのゴン吉のレビュー・感想・評価

耳をすませば(2022年製作の映画)
4.1
仕事や恋に行き詰まりを感じた女性を描いた青春ドラマ。 
原作は柊あおいのコミック。
清野菜名が主演、松坂桃李、山田裕貴、内田理央、安原琉那、中川翼、近藤正臣らが共演。
  
1998年、月島雫(清野菜名)は出版社で児童書作家の担当編集の仕事をしながら中学生時代からの夢である小説を執筆していた。しかし何度もコンクールに応募するが、落選してばかり。一方、彼女には10年前にチェリストになるためにイタリアに旅立った遠距離交際中の彼氏(松坂桃李)がおり、彼は着実にプロ演奏家としての道を歩んでいた。遡る10年前の1987年、中学生だった雫(安原琉那)は読書が大好きで暇さえあれば図書室に通っていたが、彼女が借りる本の図書貸出カードにはいつも貸出人の欄に天沢聖司(中川翼)の名があった。ある日、京王線の車内で猫を見かける。その猫がすぎのみや駅で下車したため、気になって猫のあとを追っていくと丘の上の骨董品屋に辿り着く。そこで彼女は猫の置物を見つける。店主のおじいさん(近藤正臣)の話では若いころにドイツで購入したものであると言う….   

スタジオジブリがアニメでも描いた青春ドラマの実写版で、原作やアニメでは描かれていない10年後がメイン。
中学生時代に描いた夢と厳しい現実のギャップに直面し、仕事や恋に行き詰った25歳の独身女性を描いている。
都内の丘から眺める市街地の街並みの風景とイタリアの丘から眺める街並みの対比が味わい深い。
またジプリのアニメの主題歌が「カントリー・ロード」なのに対して、本作の主題歌は「翼をください」。
二つの主題歌を通してヒロインの心境の変化を味わうのも面白い。
「答えは心の中にある」
「こうやってね 耳を澄ますんです そうすると 凍り付いていた塊を溶かして 心の声が聞こえてくる かもしれません」  
中学生時代の夢を追いつづけながらも未だそれを果たせない社会人となった彼女の選んだ道はいかに?
ラストは青春ドラマならではのホッコリさせられるエンディングです。
「一緒に新しい夢を育てたい」 

2024.5 日テレで鑑賞(金曜ロードショー・地上波初放送)
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