いち亀

G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズのいち亀のレビュー・感想・評価

3.8
【良かった点】
・アクションの派手さと分量の多さ
・キャスト込みでのキャラ立ち
・日本のリアルとファンタジーのバランス
・東洋的な精神性やヒーロー哲学
・二転三転するストーリー

【いまいちだった点】
・予告で聞いてた話と違う!!!
・アクションが見づらい点、多し
・ヒーロー「オリジン」だとしても、主人公に感情移入しにくいし、ションボリするよコレ!

【観るか迷ってる人へ】
「忍者大戦」とかは忘れて、ほどほどに楽しみにしていれば割と満足できると思います!!(結局ヒットはしてほしい)




以下、少し中身に触れつつ詳細です。


谷垣健治さんがハリウッド本格参戦、しかも「忍者」で日本ロケ……ということで、期待値は非常に高かったです。
公式のプロモーションも、(いい意味での)馬鹿馬鹿しさやお祭り感が伝わってきて、それも良かった。

まずは目当てのアクションですが、割と満足できる仕上がりでした。
刀剣・格闘・カーチェイス、武器は刀に扇に鎖鎌に、舞台も道路から城まで……と、多彩なバトルが全編にてんこ盛り。現代日本のお城で大チャンバラするの観たかったでしょみんな。
スピーディーでありつつも要所で印象的な振りがある、というのも谷垣さんらしくて良かったです。何よりイコ・ウワイスが大暴れしていて最高。
とはいえ動きの・画面の見づらさは否めなかったですね、最近の邦画でより見やすいの結構ある印象……

ストーリーですが。
「忍者大戦」ではなかったなりに、「忍者一族のお家騒動&新たなヒーロー誕生」をやろうとしているのは伝わりました。
キャラの本心が分からないサスペンス感や、使命ゆえの対立みたいな要素も、隠密・謀略・諜報に生きる忍者らしいといえばらしいです。
また、元は利己的だった主人公が、仲間と触れて無私の正義に目覚めていく……というテーマも良かったですし、修行のときから絡めていたのも面白かったです。

とはいえ。
そうした要素を描くために、主人公たちの好感度が犠牲になっている……というの、ヒーロー映画として相当に痛い気がします。
何より、スネークアイズに衣装が……「オリジン」でも、もうちょっと出しようがあったのでは……
仲間が集結しての盛り上がりはあるものの、そのテンションが下がりつつ終わってしまった気がします。

という欠点は確かにあるものの。
やっぱり、こういう映画がハリウッド発・日本ロケで実現したこと自体、すごく楽しいイベントだったんですよね。
プロモーションの空騒ぎ感も含めて、いい時間を過ごせたのは間違いない。木村昴くんが主演吹き替えに加えてPRソングまで歌ってたのもいい企画でしたし。

商業的に成功はしてほしいですし、これを足がかりに「ガチ忍者大戦in日本」やってくれたらな~と思います!!
いち亀

いち亀