しろくま

劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班のしろくまのレビュー・感想・評価

3.7
2022.04.07/086/TV録画
それはバッテリー切れの一台の無線機から始まった。繋がる筈のない無線機から聞こえた過去からの通信を通して、三枝刑事(坂口健太郎)は長期未解決事件に立ち向かう。

交信の相手は、過去を生きる大山巡査部長(北村一輝)。未来からの情報をもとに、過去の事件を未然に防ごとするが、新たな問題が発生することも多く、手に汗を握る展開。ドラマ版の元ネタは同名の韓国ドラマ。韓国版の方がハードでスタイリッシュ。それに、韓国版は話数が多かったので事件の経緯や捜査の過程が丁寧に描かれていた。しかし、日本版は10話にまとめたために、入りきれなかった事件もあり、後日ドラマスペシャルで放送されている。本作もそんな話数の関係で、扱われなかった事件をリメイクしたのかと思ったら、〝MOZU〟を手掛けた脚本家さんのオリジナルストーリー。過去と未来に生きる刑事が協力し国家を揺るがすバイオテロ事件の真相に迫る内容。犯人を追い詰めるだけではなく、亡くなった犠牲者まで救ってしまおうとか、そもそも事件が起こらなかったことにしてしまえとか、やることが大胆で、タイムパトロールがいたら怒られてしまいそうな案件。

オリジナルストーリーによる日本版を出したことで韓国版がシーズン2を作ったときに辻褄が合わなくなりそうで心配にはなるが、韓国版の続きがないのであれば、作品の面白さとテイストは本作でも受け継がれていたので、オリジナルストーリーによる続編もありだね。
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