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パピチャ 未来へのランウェイのooospemのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ル・シネマってあんなに広かったっけ。
観客少ない映画館って無になれていい。
それで……どこが『女性解放物語』だって?????

舞台は1990年代アルジェリア。
イスラム文化の服装「ヒジャブ」を付けない女性は銃殺の対象として狙われる。命を落とす恐怖よりも服装の自由を選ぶ主人公の女性たち。
自宅の玄関にやってきた、知り合い「らしき」無害「らしき」ひとりの女性が姉の名を呼ぶ。それを聞いた妹は姉を呼びよせ、玄関を背にして学校へ向かう。そのわずか2秒後の銃声。妹は膝から崩れおちる。そういう日常が、当たり前にある世界。

つくづく思う。
世界ってなんでこんなに怖い人がたくさんいるんだろうね?

ある知り合いは「自分の影響の及ばない範囲のことは敢えて考えない。不毛な上、胸が苦しくなるだけだから」と言った。何が正しい世界かわからない世界だけど、この考えは間違いじゃないと思う。よりよい精神状態を保つための合理的な手段だから。でも、これが最適解にならないこともある。不毛で、胸が苦しくて、この現実を知ってもなお何もできない非力な自分に嫌気がさしても、知ろうとすることをやめてはいけないと思う。

顔も名も知らない地球の裏側のどこかでも、苦しい思いをしている人が一人でも減ればいいと願っている。綺麗事とか、偽善者という言葉は世界一嫌い。けっして偽善じゃないはず。これでも何ができるんだろうかって真剣なんだから。身の回りの誰かがばかにしても、ほんのわずかでも世界を変える希望を捨てちゃだめ。

自分のために書いた。
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