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パピチャ 未来へのランウェイのparaのレビュー・感想・評価

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鑑賞前に壁に貼られた記事にあった監督の言葉を読む。
伝統的な生地であるハイク。白いハイクは抵抗の証を意味すること。(フランス領からの独立)
自国が置かれた現状を発信するのはその国を良く知る人間が行うべきだとのことでの初監督作品。そして半自伝的お話。

それ以上は何度も観た予告のみで、勝手にどこか明るさを感じていたのだが、
想像した以上の重さに、言葉に表しきれない感情が心の中に澱となって沈む。
淡い希望があるのが救い。

暗黒の10年と言われる1990年代アルジェリアが舞台。
誰かに依存することなく、自らの足で立って己の人生を進みたいエネルギッシュなネジュマを中心として、様々な抑圧とそこに立ち向かう女性たちが描かれる。

世界には様々な信仰や価値観があり、日本人の考える「正」や「良」「善」が正しい訳ではないものの、、
いや、常に、思考が異なる誰かに命を狙われる社会でもなければ自由な格好が許される国の人間には気安く共感とか反発とか言えない…。

映画は世界を知る窓。だと改めて感じる。

惨さを打ち消すような太陽がとても印象的。

時代は異なるけれど、鑑賞しながらそういえば、ジダンはアルジェリア出自だなぁと思い出し、、フランスにアルジェリア出自の方が多い理由についても思いを馳せる。


快活な主人公を演じたリナ・クードリは、ティモシー・シャラメとの共演作や主演作が控えているようで、とても楽しみな女優です。
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