1980年代、農業で成功する事を夢みてアーカンソー州の田舎に越してきた韓国系移民家族の話
今アメリカではアジア系の人達に対するヘイトクライムが問題になっているのですが、本作はあくまでも移民家族の生活の映画
想像以上に淡々と進行していく家族の物語でした
タイトルの『ミナリ』とは韓国語でセリ（芹）のこと
公式HＰによると「セリはたくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている」らしいです
新天地でやる気満々の夫
理想と違う生活に不安を抱える妻
そしてまだ小さい子供達
彼らに起こる問題は決して韓国移民だから、というわけではなく他所から来た者なら誰にでも起こること、だから本作は多くの人の共感を得たのでしょう
「韓国教会」がない事にガッカリする妻は地元の教会へ通うことに
夫の仕事を手伝っている白人の男性は独自ではありますがキリスト教信者でとてもとても寛大
やはり心の拠り所として信仰は大事なのかもしれないですね
夫婦は共に働いているので、子供達の面倒を見てもらおうと妻の母親を韓国から呼び寄せます
よくある祖母のイメージとはだいぶ違うぶっ飛んだおばあちゃん
そしてタイトルのセリが重要なポイント
エンドロール直前のショットは、今後のこの家族を暗示しているようで、ちょっとホッコリします
予告編で流れているシーン以上に劇的な場面はなく静かに家族の生活を眺めているような感じの作品
語られていない部分をどう読み取るかで本作の評価が分かれるところですね
