原作未読、原作の短編をいくつか集めて3人の監督で
作られた映画であることだけ知った状態での鑑賞。
うーん好きな人もいるだろうけど個人的には好みではない。
細かいエピソードはあるものの
大きく分けては3パートで構成されており
それを時間軸を前後させつつ1つの映画にしている。
こう書くと当然「パルプフィクション」が連想されるが
「パルプフィクション」はエピソードごとの起承転結が
ある程度明確かつ派手であるのに対し
本作の各エピソードごとの起承転結は第二部を除きあまりに弱い。
正直起承…くらいで終わっている印象で
1本の映画としてはかなり地味で退屈。
思うに本作に通底する「田舎憧れ」とか「昭和ノスタルジイ」感が
個人的にあんまり好きでないという所。
道端にエロ本が落ちていたり古びたレンタルビデオ店があったり
寂れた漁師町や無人駅など
そんなもの幼少期に周りになかったもの。
そういったものに憧憬を抱かないのも合わない理由かもしれない。
褒めるべきは第二部(斎藤工監督パート)で
ここだけはずば抜けて良い。
(第一部・第三部があまりに弱いせいもある)
屈折した青春劇としてきちんと引き込まれる物語があるし
主役二人を演じる森優作、そして九条ジョーの存在感が抜群。
今後この二人のキャリアの飛躍を感じるパートだった。
ピエール瀧の配役は意地悪で笑っちゃう。