まず、事実に基づく話という触れ込みに対して、事実と異なるとことごとく批判している人を見かけたが、この作品はドキュメンタリーではなく、娯楽の側面もあるのが映画なんだから多めにみてやってよと言いたい。
僕らのような、教科書の数ページ程度の記憶と学習でしか知らない世代にこそ観てほしい映画だった。
公害がまだまだ無くならないのは戦争が無くならないのと同じくらい辛いしかなしい。
娯楽映画に出がちなジョニーデップだからといって観ないのは勿体無い。カメレオン俳優のごとく、老いゆく自堕落なユージンになり切っていて自然で人間臭くて素晴らしい映像だった。
音楽も気合いが入っていて、闘病中とは思えない力強さだった。ラストアルバム12を書き始める前の元気な音がしていた。
ラストエンペラーの劇的な弦のリズムをそのままセルフ引用していたのが印象的。
