雨丘もびり

アトミック・ジャーニーの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

アトミック・ジャーニー(2019年製作の映画)
3.0
【following様の鑑賞リストから選んで観てみた】
フランスから独立するアルジェリアにおいて、撤退中のフランス軍が実行した核実験がモティーフ。
https://www.youtube.com/watch?v=i7AWp8iy9IU

いくつかの事件をミックスしてるようで、ノンフィクションでは無さそう。
いつか観た『草原の実験』より誠実な映画。だから何も言えないんだけど(ドラマとモティーフを区別して書くのがしんどい)。

不安から解放された瞬間、調査隊員たちが弾けたように笑いだす描写、痛々しい。
惨い状況下において、叫んだりわめいたりせず/できず、黙々と両腕を動かす兵たちを、息を詰めて見届ける映画。

ひとりの古参兵が、若者たちを巻き込んでしまった枷を背負って砂塵の向こうに"逃げ去る"シーンがあって、なんかその、卑怯さがツラかった。

人間ドラマを克明に描きつつ、傍観者の視線から踏み越えない冷徹さで観客に訴えかける"視点"がすごい。