このレビューはネタバレを含みます
ナマハゲは子供を泣かせ、子供は親にすがる。
親は親としての自覚を強くする。
ナマハゲは、親子の絆を強くする触媒に過ぎない。
主人公は、娘の顔がわからない。
顔を知るためには、他にも手段はあったであろうが、彼はナマハゲとして娘と会うことを決めた。
つまり、彼は継父と実の娘の絆を強くする触媒、すなわち他者になった。
一方で、娘の幸せを願うからこそ、ナマハゲとして娘の前に行けたのであろう。
そこには娘への、元嫁への愛がある、と信じたい。
父としての自覚と同時に、彼がその役割を継父に託した。
自覚と役割の分離が切なさをもたらす。