泣く子はいねえが
仲野太賀適役。さすがでした。
なぜかとても、吉岡里帆の気持ちになりながら観てしまったけど。
大事な話してるのに笑っちゃう人、いるよね。
真剣に話してるし、きっと真剣に聞いてるけど、反射的に笑っちゃうんだよね。
本能的にかわそうと逃げちゃう。他人からはそう見える。
きっとまともに受けたら耐えられないから。
もう遅い。もう一度チャンスを。なんて甘いことはない。そんな世の中甘くない。
でも、仲野太賀の気持ちも痛いほどわかる。苦しかった。
反省してるし、もう二度と同じ過ちは繰り返さない。ほんとに。
だけどやっぱり、そんなに世の中甘くない。
気づいた時にはもう遅い。そんなことたくさんある。
すでに相手は再婚して、自分よりうんと素敵な人と出会ってる。あの人を苦しめたのは自分だし、そんな苦しい経験をしてたんだから、やっと良い人に会えて本当に良かった。あったかい日々を送れていて、本当に良かった。だけど。
止めて欲しそうだった。
これも言われた訳じゃない。目がそう言ってた。気がするだけ。自分がそう思いたいだけ。
人間はいつだってどうしても自分に都合の良いようにしか解釈できない。
自分以外の人と、幸せになるところなんて、あってほしくないし見たくない。
だけど現実は。
何がどうなるわけでもなく、ただ淡々と過ぎていく。凪の海と、空気。だけどその中にも自分の感情や、思いが、水面下でぐちゃぐちゃと激しく動いて叫んでる。そんな映画だった気がする。
その水面下で激しく叫んでた想いが、最後のなまはげに現れてた気がした。
音楽も折坂悠太、全てがハマっておりました。