EDDIE

パーム・スプリングスのEDDIEのレビュー・感想・評価

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)
3.3
新感覚タイムループラブコメ。もはや繰り返す毎日から抜け出す気のないお気楽主人公。そこに介入する一人の女性。変わらぬ日々に甘えるか、変化を求め脱却するか。一人で過ごすと何事も鈍感に…二人の大切さを再認識することに価値がある。

タイムリープラブコメ史上最もユルいのではないか!?
『アバウトタイム』のように自分の失敗をやり直すための能力としてではなく、何かをきっかけに同じ日をグルグル繰り返す『ハッピー・デス・デイ』的なノリです。

パームスプリングスという高級別荘地で開催された結婚式。
新婦親族のボーイフレンドとして参列した主人公ナイルズ(アンディ・サムバーグ)。この人のキャラがもう最高です。というか冒頭シーンからあまり危機感を感じません。
それもそのはず、彼はもはや同じ日を繰り返すことに慣れきってしまっているからです。冒頭のガールフレンドとの行為の結果が彼が何度も同じことを繰り返していることの暗示だったとは。

同じ日を繰り返しながら、一つ一つの出来事を卒なくこなしていきます。もう手慣れたもんです。
まるでミュージカルシーンのような軽やかなダンスパートも観ていて楽しかったです。

しかし、この手のタイムリープもので直面するのが、途中でちょっと飽きがきてダレてしまうところ。とはいえ全体的にはテンポも良く、多くの人に受け入れられそうな映画ではないかとも思います。
新感覚ではあるけど、なんか特筆する心に残るポイントがあんまりなかったんですよね。演出や小道具の使い方はうまかったんですけどね。

今ひとつ腑に落ちないのが、ヒロインのサラ(クリスティン・ミリオティ)が本作におけるキーアイテムを入手するに至ったきっかけです。
そこに至るまで何度もループを繰り返して努力したのはわかるんですが、基本的に知識以外、同じ日はゼロからのスタート。
なのにあのアイテムを一日で作り上げた?それとも誰かから入手した?その経路が不明すぎました。
野暮なことは聞きなさんな!ということなんでしょうか。

あとはナイルズを付け狙う謎のロイという男性。J.K.シモンズが出演していることはノーマークだったのでいい意味で驚かされました。
とにかく主人公ナイルズのキャラが最高すぎるのでユルいコメディ好きにはオススメできる作品です。

※2021年劇場鑑賞45本目
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