このレビューはネタバレを含みます
ルーマニア、ブカレスト。
大都市に隣接するバカラシュティ湖。
手付かずの自然の中で暮らす大家族、エケナー家。
しかしここを自然公園にするため行政が介入してくる。
そして一家は街に移り住む事になるが…。
父母と20人の子供達が自然の中で暮らすドキュメンタリー。
とても貧しいが彼らはとても幸せそうだった。
そして街に住む彼らは幸せそうには見えなかった。
戸惑う事ばかり。
順応していこうとする姿も大変そうで。
結局ゴミを漁り、ペットボトルなどを売る様になってしまう。
移り住んだ当初、清潔を保っていた最初のころとは違いどんどん荒れていく。
魚をくわえ、楽しそうにしていた長男も手にはスマホ、そしてスロットに興じる姿、父親をバカにする姿がなんとも悲しかった。
学校にも行かせない、自分たちの思う様にしていた両親。
決して良い事ではない。
大都会のそばで生きる、未来のある子供達だから。
でも…何が幸せなんだろう。
子供達の姿を見てそう思う。
映画は何も解決しないまま終わってしまう。
なんとも切ない思いだ。
ラドゥ・チュロニチュック監督作品