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MOTHER マザーのmayuのレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
4.3


この映画を観終わった時、抑うつと涙が止まらなくて最悪の気分になった。
全く秋子に共感できない私は、平凡に、ある程度は幸せに生きてきたんだなと思った。

ネグレクト、モラハラ、毒親、母親と子供の共依存、歪んだ愛情と色々な角度から見ることができた。
秋子も周平も何度か救いの手を差し伸べられたと思う。でも結局秋子は働かなかったし、殺人未遂や自分の親を殺すように指示までだした。

自分に価値がないと思ってるから、満たして貰える誰かを探して身を売るけど上手くいかず、その腹いせの対象は周平になる。

でもどんなに酷い仕打ちをされても、あしらわれても、愛されなくても、子供は母親が好きで、無償の愛をくれるのに最後までその存在に気が付かなかった秋子。
一人じゃ生きていけないから、単純に母親が好きだからという理由で祖父や祖母までも殺した周平の姿を見て、苦しくなった。
周平の愛情も歪んでる。
本人も気が付いてるけど、その方法でしか愛されてこなかったから、その形でしか愛せないんだろうな。

自分から離れていこうとする周平を何度か「みんなあんたの事嫌いだよ」「学校に行ってもいじめられるよ」と乏しめるような言葉をぶつけるシーンもあった。
秋子は寂しい人。
この二人の共依存は、刑務所を出てからも続いていくんだと思う。
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