基本的に洋画をよく好んで見るが、たまに見るシリアスな邦画の、心に重いものがのるような構成や演出がすごく良い
特に沈黙が生々しい
私たちの普段の日常生活にある沈黙や間がそのまま作られている
普段見ているドラマやコメディ映画などの映像作品では、現実の人間の会話の間や沈黙は端折られているのだなと改めて気付いた
秋子のような人間が出来上がるまでに、背景にはなにがあったのか
人生に数ある分岐点や付き合う人間を、全て間違ってきたのだろうなぁと言うのが秋子の人間性に対する率直な感想
もちろん冒頭で触れていたように、家庭環境にもなにかしらの歪みがあったのだろう
遼はどうしようもないやつだったが、周平や冬華を気遣う姿からは性善説を信じてしまいそうになる
途中で亜矢から将来の夢を尋ねられた周平がわからないと答えた時は、そりゃ今生きるので精一杯な人間が未来のことを考えられるわけがないと腑に落ちた
やはり、秋子や周平という人間には自分の元来の性格や人間性というより、家庭環境や付き合ってきた人間が色濃く影響しているのだろう