-全部、僕がやりました
家族?幸せ?愛情?道徳?
少年の浴びた返り血は、全てを覆す
どうしてこうなってしまったのか?
誰が悪いのか?
社会はこう問う。
“親なら子供のために働くのが当たり前だろ?”
しかし、この映画はそんなところにはいない。
そもそも、この事件は本当に”だめ”なのか?
彼の人生は、彼の思いは本当に”だめ”なのか?
この親子関係は”だめ”なのか?
“だめ”って誰が決めるのか?
“私の子をどう育てようと私の勝手だろ?”
“嘘はだめじゃない”
空虚な正しさが、響く。
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長澤まさみという国民的大スターがこの作品の主演をつとめ、脇を阿部サダヲに始まり、太賀•夏帆など名だたる役者が固める。
そのメンツで、これほどに挑戦的な作品を撮る
ほんとにすげえ、凄すぎる。
フロリダ•プロジェクトとか、万引き家族のように、”判断をしない”ことで既存の価値を問い直
す作品が好きな人は絶対ハマる。
長澤まさみにつられて娯楽映画と思って観にいった人は面食らうだろうし、好き嫌いも分かれるとは思う。
でも僕はこういう映画が大好きだし、こういう映画を撮り続けるスターサンズが大好きだし、挑戦し続ける大森監督が、長澤まさみが好きだ。
夏帆の担う”正しさ”の役割の弱さが胸を刺す
新人俳優も”驚異の新人”の名に違わぬ印象を素人目ながら、残してくれた。
あの”目”は彼しか持ち得ない大きな魅力な気がする。
1秒もスクリーンから目を離せず、意識を釘付けにされ続けた。
この作品が少しでも多くの人に届いて欲しい。