きー坊

MOTHER マザーのきー坊のネタバレレビュー・内容・結末

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2020年194本目。内容に興味があったのはもちろん、コンフィデンスマンJPと同時に見てみたらどうなるんだろうと思ったので同日鑑賞📽

男たちと行きずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきたシングルマザーの秋子(長澤まさみ)は、息子の周平(奥平大兼)に異様に執着し、自分に忠実であることを強いている。母からの歪んだ愛に翻弄されながらも、母以外に頼るものがない周平は、秋子の要求になんとか応えようともがく。身内からも絶縁され、社会から孤立した母子の間に生まれる絆が悲劇を引き起こすお話。

【感想とか】
1.舐めるという呪い
「舐めるように育ててきた」という言葉が親子関係の本質を突いてるし、周平が秋子に膝を舐められたシーンは、外そうにも外せない見えない足枷を付けられた瞬間だったのかも🧐最早呪いじゃんと思ってしまった🙄

2.唯一、禁じられなかったもの
学校に行って勉強したいという、周平(奥平大兼)の意欲が垣間見えるシーンがところどころ見られるけど、ことごとく禁じられてしまう😔抑圧され、禁止され続けて唯一感じられなかったものが悲劇を招く一因になってるとも思うので、やるせなさで胸が詰まる。

3.聖母か?悪魔か?
全体を通して見た結果、秋子に対してはある意味どちらの見方もできちゃうと思う💭ゾッとするけど。
外部から見れば、秋子が悪魔のように見えることの方が断然多いのかもしれない。少なくとも私はそう見えた。だけど、劇中に登場する男たちにとっては、ある意味で秋子という女性は「聖母」と「悪魔」がダブルA面で存在していたと思う🧐ダメな母親の一面を見ているはずの男たちが、秋子に堕ちるのはそういう事なんだろうと思う💭周平も「ダメだこの人」と思って逃げたくなる瞬間があっても、他人から拒絶されて最終的に身近にいるのが秋子なわけだから、「この人は何だかんだで何処にも行かない」なんていう安心感みたいなものとか生まれていると思う。だから、周平にとっても秋子は「聖母」「悪魔」どちらでもあるのだろうと思う。

番外編:新人俳優・奥平大兼
演技とても良かった!特に、本の差し入れを秋子が勝手に拒絶するシーンのリアクションにはハッとした😳

登場人物誰ひとりとして共感できないし、見ていて頭を抱えちゃうほど苦しい話で、実際に首を捻るほど理解に苦しむ場面が多すぎた😖

2作連続鑑賞したうえで言えるのは、①この作品の重々しい気分の侵食具合がエグいので、コンフィデンスマンJP→MOTHERの順で見ちゃマズい。②長澤まさみの演技の振り幅に圧倒される。ということかもしれない🎬
きー坊

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