Naoya

83歳のやさしいスパイのNaoyaのレビュー・感想・評価

83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)
2.7
探偵事務所が80歳を超えた男性の求人を出す。業務内容は、老人ホームの内偵であった。ドキュメンタリー作。妻を亡くしたばかりで、新たな生きがいを探していた老人がスパイとして入所することになるが、スパイものとして斬新さが際立ってます。隠しカメラや暗号を使った報告など、スパイながらの要素があるが、潜入するのが齢80代の老人であり、暗号を覚えきれなかったり、スマホの使い方を間違ったりと、老人スパイながらのユーモアやシュールさが温かみがあります。やがて老人ホームに暮らす老人たちとの関わりから、様々な人生模様、そして男性自身の人生をも振り返っていく様はヒューマンドラマとして優しく、老人だからこその温かみが滲み出ていて素敵。その中で、老人ホームの現状、そこに住む老人たちの心の内がさらけ出されてもいて、何十年と生きてきた1人の人々なのだと改めて痛感させられます。老人ホームの問題提示もされていて印象的。終盤の老人スパイの内偵報告は、本作の答えを物語ってます。
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