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ドリーム・ホースのchinsukoのレビュー・感想・評価

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)
4.2
イギリスのウェールズで暮らす人たちが競走馬の馬主になり、燻っていた人生に光を取り戻すという実話。

見る前は、実話でもあり、感動するんだろうな、オチも分かっちゃうな~という前提で見ましたが、思った通りのオチでも感動・感涙してしまいました。

日常にウンザリしていた主婦ジャンは、馬主になったことがあるハワードの話から、週10ポンドで共同馬主を募ることを思いつきます。そこには同じく日常にウンザリしたメンバーが集まり、牝馬を買い、種付け料を払って馬を生ませます。
ドリームアライアンスと名付けた馬を愛情を注いで育てるジャン夫婦。馬が大きくなり、競走馬として調教師に預けることになり・・・

良かったのは、ジャンと夫の育成した馬への愛情の深さ故の葛藤だったり、生き甲斐を失ったような共同馬主メンバーたちが、みるみる精気を取り戻すさまが、愉快で興味深く見られました。
ジャンの夫が「なぜ馬を飼うのか」の問いに「朝起きて、キラキラした物が待っているとしたら、どんなにいいだろう」と答えます。

そう、一般民の多くはそんな夢を持っているのだろうと思います。本作のようなことは出来なくても、キラキラしたものを見たいはず。

本作は、そんな夢を具現化させた稀な人生の一瞬を描いた作品です。
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