監督も務めた本作が、ヴィゴの半自伝でもあることをエンドロールで知った。
ありがとうもごめんなさいも言わなかった、言えなかった、父の人生。
封建的で差別主義者で、
思いやりのカケラもなく
傷つけられる方はたまったものじゃない。
ヴィゴ扮するジョンは常に穏やかに半ば諦念で父に接する。
認知症を患うと、
元々の性格から羞恥心が抜けることによってますますの暴言や卑猥語が飛び出てくるのだろう。
最初のシーンから、この人は子供が嫌いなんだと察するけれど、
カモを撃ち落としたジョンを褒めたり、鹿を撃てなかったジョンを責めなかったり、徐々に父親らしさを身につけていく気もしたのに。
星空の牧場で今際の際にみたものが、傷つけたまま死なせた妻との絡みで、満足気にその一生を閉じる。
あの幸せな最期はヴィゴの優しさなのでしょう、たぶん。