atsushi

マーベルズのatsushiのレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
3.8
前作『キャプテン・マーベル』は公開当時のキャッチコピー"HER → HERO"が示す通り、フェーズ3のキーパーソン、キャプテン・マーベルの誕生譚でした。今作は彼女のヒーローとしての功罪にフォーカスした尻拭いの物語。

体感時間30分というのが、私の率直な感想でした。主要ヒーロー3人ということを考えただけでも、これは異例の事態に思えます。確かに、これまで『キャプテン・マーベル』、『ワンダヴィジョン』、『ミズ・マーベル』で語られてきた彼女達の物語がこの1.5時間に消化されていたとは言えないかもしれません。しかし、これまでのフェーズ4・5作品のどこか物足りなさのようなものとは完全に乖離しているような気がします。スムーズな話運び、見せ場の間隔、ケレン味あるショットなどなど、ビッグバジェット超大作としては最低限のハードルはクリアできていると思うのです。これまでのフェーズ4・5にはなかった、"新規参入者でも割と楽しめる"という意味では今作の意義は果たしているのかもしれません。

ただ、小言を言うと、今作はフェーズ4・5の中では、1番のアッセンブル作品だと期待していたのですが、そこは割とあっさりとヒーロー達が出会ってしまいます。『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』でのヒーロー登場、あるいはヒーロー同士の出会いだけで生まれるカタルシスを演出できた恰好の作品だと思うので、できれば見たかった。

マーベルヒーローの功罪として、自分達の行動によってヴィランを生み出しているという問題があります。これはトニー・スタークから続く系譜ですが、今作の締めくくりは一つのアンサーでしょう。アンサー自体の良し悪しは置いておいて、MCUが今後描いていくのは、自分達の尻拭い、あるいは終活をどうするかという方向になってくるのでしょう。

来年のホリデースペシャルには是非グースを主役に一本如何でしょうか?

2023/11/11 1回目 IMAX レーザーGT
【2023年112本目】

2023/11/11 2回目
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