今年の映画の中でも新しさっていう点ではかなり上位だと思う。今年1番見た後に人と話したくなる映画でも合った。一見舞台劇っぽいが、映画でしかできないシーン単位での省略をはじめとした、映画的な編集に満ちている。鑑賞後感としては、ヴィルヌーヴ『メッセージ』やHBO『ウォッチメン』のDr.マンハッタンのエピソードに1番似ていて、ジャンルとしてはその辺りの時間SFの感覚に一番接近してると思う。序盤でこの作品が「何についての話なのか」という答えを実は明かしている構成も『メッセージ』っぽい。強いて言えば、中盤唯一、明らかにコールマンの視点で挿入される想像があるんだけど、それによりホラー的な悪夢感も獲得しつつ、これが本当の意味でなぜ挿入されたカットなのかはイマイチ読み取れなかった。ホプキンスの演技は言うまでもなく凄まじい。
