hz

ファーザーのhzのネタバレレビュー・内容・結末

ファーザー(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「認知症の父親視点の映画」という割と最小限な事前情報だけで鑑賞。はじめはミスったか(予備知識もっと必要だったかな)と思った。

というのも起こる出来事は把握できないしちゃんと理解できないので混乱しすぎて悲しくなってくる。しかしそうなる頃にはふっと気付くことが出てくる。ストーリーが「分からない」ということから学べるのは新しい視点の作品。

アンソニーホプキンスの演技これは凄いなあ。分かってないけど分かったふりして明るく振る舞って見せるところはある意味衝撃的だった。悲しみ感じるシーンもかなりずしんときた。認知症患者の視点でみた世界ってこんなにも恐ろしく不安でたまらないものだとは考えたことなかった。

アンソニーの「葉を失っていくよう」という居た堪れない気持ちに胸が締め付けられそうになるラスト。そこから窓の外に映る木々。木の一生と人生とが重なる。
窓の外の木々は、この作品がほぼ部屋の中で繰り広げられた室内劇ということもあってか、とても眩しく感じた。切ないなかに美しさも感じられた。青々しく生い茂る木々からは、この木のような時代もアンソニーは通ってきて今があるんだなあ、親子愛溢れる日々がきっとあったんだろうなあとふと感じられた。
hz

hz