介護の仕事してます。
このアンソニーは認知症患者の寄せ集めみたいな感じに思えました。認知症というのは一つの病気ではなくていろいろな原因で起こる一連の症状みたいなものです。
それぞれの症状が大きく出る人もいるし、出ない人もいるし。
「風邪」といっても咳、鼻水、熱、倦怠感、頭痛、悪寒が全て出るわけではないのに似ているでしょうか？
介護の仕事は大変だけれどあくまでも仕事。仕事でもイラつくことがあるので家族の方がずっとずっと大変だと思います。「理不尽」と思えることもあるでしょう。
私たちが寝て夢をみる時、訳がわからない夢をみることがある。知らない人やいるはずのない人が当たり前のようにいたり、時代設定が無茶苦茶だったり....
夢の中では気づかないけど後でおかしなことだとわかる。認知症になると頭の中がその夢と現実の間ぐらいの状態かなと感じていました。時におかしな誤解をしたり、あれやっぱりおかしいなと気づいたり、その繰り返し。しかも内容をよく覚えていない。
観客をあえて混乱させ、アンソニーと同じ不安で訳がわからない状態まで追い込む。唐突に辛い現実を突きつけられる。周りはその「唐突な辛い現実」を「もう既にあなたは知っていること」として取り合ってもらえないことがとても悲しい。辛いと思ったその瞬間に、慰め寄り添ってくれる人がそばにいてほしい。
