はくり

ラスト・シフトのはくりのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト・シフト(2020年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

見終わって「一生懸命か、一生来ないか」というセリフが強く印象に残った。
スタンリーが母親から受け継いだ言葉だけど、スタンリーの38年間はそのどちらも兼ねていたんじゃないかと思う。
たしかに酷い言い方をするとサルでもできる仕事だったかもしれないけど、スタンリーなりに「一生懸命」誇りをもって働いてきた。だからこそ職場の仲間や経営者から信頼もされてる。

しかしスタンリー自身は、心のどこかで「これでよかったのだろうか」と常に感じてはそれをそっと飲み込んできたのだろうかと考えると胸が苦しくなる。
言うなら「一生”ツケが回って”来ない」ような日常だったのかな。
ここで言うツケというのはジェボンとの出会いのような変わるチャンス。
クラスリングをつけてるのも、あの頃に良かったという心理で、本人も憧れた仕事ではなかったと言っている。
ジェボンと出会うことで自分の現状に疑問を抱くようになった。
もう少し早くスタンリーにツケが回って来ていれば本編のような悲劇に合わなかったかもしれない。

個人的にあの終わり方は悪くは無いと思うし、むしろ好きな方だった。
ジェボンはもう一度コラムを書き始めて、少しずつだけど堅実に前に進んでいた。
お互いが手探りでも前に進んで言ってるのがわかったし、人間関係っていうのは映画のように上手くいかない、不器用な二人が現れてると思うし好きだった。
でも中盤にあった、酔っぱらいを二人で運んだり、シフト後半で退屈と戦っている二人の友情を見てると、とても心に抉る映画だった。
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