おたしん

フランクおじさんのおたしんのレビュー・感想・評価

フランクおじさん(2020年製作の映画)
4.1
ロードムービーが大好きなのにこんなに悲しくて寂しい道のり耐えられない。
道が進むに連れて過去やそれぞれの思いが明らかになっていく。
いつかは向き合わないといけない。

フランクおじさんはスマートでスタイリッシュでスーパー魅力的な人でした。
何かを抱えているのかとは思いましたが一生後悔する経験は想像を超えた。
死ぬまで自分を許せないだろう。

父親の遺言は傷を抉った。
泣きました。
最期の最後で伝えたいことがそれなのか。
第三者目線でも悲しかったしフランクの気持ちになると堪えきれなかった。

あの日父親が彼に言った言葉。
父親なりに思いがあったんだろうけど。
流していた涙の意味が僕には1ミリも分かりません。
子供のことを第一に考えた結果だったんだろうか。

事件の記憶は消せないし父親の言葉も残り続けるけど向き合って受け止めて進まなければならない。
ベスの心から思った素直な言葉が崩壊寸前のフランクを助けたと思う。
"他人の意見を気にせず自分で決めろ"ってのを他人に言ってしまったら自分もそうすべきだよね。

ラストは良い方向に進んだ。
何より否定的な意見が聞こえてきても見向きもせずにベスのもとに向かうフランクの姿に感動した。

ベスは絶妙な役割をしてたな。
ウォーリーと同じぐらいフランクにとって特別な存在だったと思います。

最近はセクシャルマイノリティの作品が増えていて段々と考え方も良い方向に動いてる気がするしハッピーな映画も最高なんだけど本作は違った良さがあるね。
昔があって今があるし根強い批判者もまだまだいるし辛い経験をしている人が今も尚いるってことを覚えておくべき。
エグすぎない程度にリアルを突きつけてくれる作品でした。

不謹慎なこと言って失礼かもしれないけどこの時代に生まれなくてよかった。


フランクおじさんカッコよかったな。
ポールベタニー好きになった!
おたしん

おたしん