こきりこ

キネマの神様のこきりこのレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
4.5
みんな安定した演技力で、安心して観られる映画だった。
どこか意識的に志村っぽい雰囲気を出しているように見えたが、主人公の融通が利かないところは、むしろ沢田研二の方が合っているように思えた。

過去編の空気感はまさに山田洋次の世界観だった。
菅田将暉と永野芽郁が、若き日の前田吟と倍賞千恵子に見えてきた。
小林稔侍の若い頃が野田洋次郎なのも嵌っていた。

でもコロナ関連はちょっと余計だった気がする。
映画業界が苦しいとか大変なのはわかるんだけど、あまり必然性を感じなかった。
ここでも言及している人がいるけど、マスクずらして喋ったりするのも違和感を覚えた。

何度も泣かされたし、とても良い映画なのは確かだ。
劇中の歌も粋な計らいだった。
ただあの脚本、いくら現代風にアップデートしていても、現代人にそれほど訴求力があるストーリーだろうか。
そこに触れるのは野暮かも知れないけど。
こきりこ

こきりこ