話題になった「今夜、ロマンス劇場で」をさっそく松竹のほうでもとりいれてやってみましたけどなにか。
説明セリフの連続に辟易とする序盤。人情コメディなんだからまあいいのかと自分をなぐさめていると終盤にいいシーン、いいセリフがちらほら出てくくる。
小津安二郎を仮名にしてだれかわからんようにしてるいっぽうで、ちょいちょいほかの実名が聞こえてくるバランスにむずむず。城戸賞はそのままで草。
原作小説の「キネマの神様」は未読だけど、「松竹大船撮影所前松尾食堂」という本は読んでいたので、永野芽郁が演じていた役のモデルはそのひとだったのかなぁと思ったりしながら見た。
・リールを足の上に落としたり、フィルム缶をぶちまけたり、そんな映写技師はこの世にいないっすよ。
・当時を再現する労働争議関連のビラよかった。ベトナム戦争関連のビラはなかったですね。
・元ネタはバスターキートンというセリフがあった。ググると「キートンの探偵学入門」ってやつかな？
東映出身の深作欣二に「蒲田行進曲」で大ヒット飛ばされて、松竹たたき上げの山田洋次がそれを上回るべく送り出した「キネマの天地」がしょぼかったという前振りがあって、やっぱり今度も「今夜、ロマンス劇場で」は越えられなかったのか。という意地悪な楽しみかたができた。
